2D LiDAR SLAMの盲点(2)|障害物を補う
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更新日:3 日前
なぜ「見えない障害物」が問題になるのか
2D LiDARを用いたSLAMでは、センサーが検出できるのは特定の高さの断面に限られます。
そのため、地図上では問題がないように見えても、実際の現場では接触リスクが残るケースが存在します。特に、上方向に張り出した構造物や、センサー高さから外れた障害物は、検出されないまま運用に入ってしまう可能性があります。
こうした「見えていない障害物」は、運用開始後にトラブルとして顕在化することが少なくありません。
センサーの死角は「上方向」にも存在する
2D LiDARの特性として見落とされがちなのが、上方向の死角です。このような構造物は、センサーの高さによって検出されません。その結果、AMRは「何もない」と判断して進行し、実際には接触してしまうという状況が起こり得ます。
作業台の張り出し部分
コンベアのフレーム
突き出した設備部品

検出できないなら「避ける設計」にする
このようなケースに対して重要なのは、「検出できるようにする」ことではなく、「そもそも近づかないように設計する」という考え方です。つまり、センサーで認識できない領域については、走行経路そのものを制御することで回避します。ここで有効になるのが、地図編集による障害物の追加です。
地図編集モードで「仮想的な障害物」を追加する
実際の運用では、地図編集モードを用いて、センサーでは検出できない障害物を「地図上に追加」することが可能です。これにより、AMRはその領域を通行可能なルートとして認識しなくなります。

結果として「自然に避ける」動作になる
このように地図上で障害物を設定しておくことで、AMRは運用時にそのエリアを避けるように経路を生成します。

(1)との違い:「目印」ではなく「立ち入り禁止エリア」
前回の(1)では、地図作成時に意図的に障害物を配置し、「目印」として活用する方法を紹介しました。一方で今回の考え方は、危険エリアに近づかないための障害物という違いがあります。同じ「障害物を置く」という操作でも、目的によって役割が大きく異なります。
まとめ:見えないものは「地図で見せる」
2D LiDAR SLAMにおける制約は避けられませんが、それを補う手段は存在します。検出できない障害物に対しては、センサーで対応するのではなく、地図側で制御する。この発想を持つことで、より安定した運用が実現できます。
地図は単なる環境の記録ではなく、「どう動かしたいか」を反映する設計ツールです。
見えないものをどう扱うかが、運用の質を大きく左右すると言えるでしょう。




