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AMRの稼働時間と充電時間はどう決まる?YL-180のバッテリーを実機検証

AMRの導入を検討されているお客様から、充電方法やバッテリーの稼働時間について、次のようなお問い合わせをよくいただきます。


  • 1回の充電で何時間稼働できますか?

  • 満充電まで何時間かかりますか?

  • 積載重量によって稼働時間は変わりますか?

  • バッテリーを取り外して充電できますか?


そこで今回は、YOKOIDOのリフト型AMR「YL-180」を例に、AMRの稼働時間と充電時間の考え方を解説します。

約200kgの荷物を載せて実施した、連続走行テストの結果も紹介します。


YL-180の公称稼働時間とバッテリー仕様


YL-180の公称稼働時間は、標準的な運用条件において約4~5時間です。

搭載するバッテリーには、安全性やサイクル寿命に優れるリン酸鉄系リチウムイオン電池を採用しています。

主な仕様は次のとおりです。

項目

仕様

公称電圧

25.6V

公称容量

25Ah

エネルギー量

640Wh

接続方法

コネクタ式


エネルギー量は、次の計算で求められます。

25.6V × 25Ah = 640Wh

Whの「h」は、hour(アワー/時間)の略です。

Whは、どれだけの電力を何時間使用できるか、またはバッテリーにどれだけの電力量を蓄えられるかを示す単位です。


640Whのバッテリーであれば、理論上は640Wの電力を1時間、320Wなら2時間供給できることになります。

ただし、実際の稼働時間は、モーターや制御機器の消費電力、積載重量、走行速度、加減速、路面状態、停止時間などによって変化します。


AMRの稼働時間は「バッテリー容量÷平均消費電流」で概算できる


YL-180は24V系で動作するため、簡易的にはバッテリー容量25Ahを平均消費電流で割ることで、おおよその稼働時間を考えられます。


稼働時間の概算は、次の式で求められます。

バッテリー容量(Ah)÷平均消費電流(A)=稼働時間(時間)


たとえば、平均消費電流が5Aの場合、理論上の稼働時間は次のようになります。

25Ah ÷ 5A = 約5時間


ただし、実際の運用ではバッテリーを完全に使い切るまで走行させることはありません。

安定稼働とバッテリー保護のため、一定の残量を残した状態で充電を促します。そのため、計算で求めた時間はあくまで目安となります。


AMRで最も大きな電力を使うのは駆動モーター


YL-180では、駆動用モーターが消費電力の大きな割合を占めます。

使用している駆動モーターは、1基当たり最大瞬間電流が約14A、定格電流が約9Aです。

駆動輪は2輪なので、単純に合計すると、最大瞬間電流は約28A、定格電流は約18Aとなります。


仮に、重い荷物を載せた状態で加速と減速を繰り返し、平均20A近い負荷がかかり続ける厳しい条件を想定すると、計算上の稼働時間は次のとおりです。

25Ah ÷ 20A = 約1.25時間


しかし、実際の運用で最大負荷が連続することは通常ありません。

モーターの負荷が特に高くなるのは、停止状態から加速するときです。一定速度での走行中は、必要な電流が低下します。

また、実際の現場では、荷待ち、設備待ち、積み降ろしなど、AMRが停止している時間もあります。


YOKOIDOでは、こうした実際の運用を踏まえた負荷率をおおむね25%程度と想定し、YL-180の公称稼働時間を約4~5時間としています。


バッテリー残量はどのように推定するのか


多くのAMRやAGVでは、バッテリーの電圧を監視して残量の目安を推定します。

ただし、YL-180に採用しているリン酸鉄系リチウムイオン電池は、放電中盤における電圧の変化が比較的小さいという特徴があります。

そのため、電圧だけを見てバッテリー残量を正確に推定することは、必ずしも簡単ではありません。


さらに、AMRの加速時や重い荷物の搬送時などに大きな電流が流れると、バッテリーの内部抵抗によって一時的な電圧降下が発生します。これは「電圧サグ」と呼ばれる現象です。

負荷が小さくなると電圧はある程度回復しますが、この一時的な電圧変動によって、電圧から推定した残量にずれが生じる場合があります。


一般的なLi-ionバッテリーの放電曲線
一般的なLi-ionバッテリーの放電曲線

より高精度にバッテリー残量を管理する場合は、BMUやBMSを使用し、バッテリーに出入りした電流を積算する方法などを組み合わせます。


BMUは「Battery Management Unit」、BMSは「Battery Management System」の略です。

電圧、電流、温度などを監視し、充放電した電力量を計算することで、バッテリーの状態をより詳しく管理します。


ただし、一般的なAGVやAMRでは、コストやシステム構成との兼ね合いから、電圧を中心に残量を判定する方式も広く使われています。


約200kgを積載してYL-180の連続走行テストを実施


カタログ上の数値だけでなく、実際の運用に近い条件でどの程度走行できるかを確認するため、YL-180の連続走行テストを実施しました。


テスト条件

項目

条件

使用機種

YL-180

走行コース

約5m×3m、1周約16m

積載重量

約200kg

積載物

こたつ台+水を入れたポリタンク8個

走行設定速度

約30m/分

開始時の状態

バッテリー満充電


テスト時のAMRの様子
テスト時のAMRの様子


約8時間15分の連続動作を確認


この条件で、YL-180は約8時間15分の連続動作を行いました。

旋回や減速を含む実走行距離は、記録上8km弱となりました。


テスト走行時のLi-ionバッテリー電圧の推移
テスト走行時のLi-ionバッテリー電圧の推移

今回のテストでは、公称稼働時間である4~5時間を上回る結果となりました。

これは、走行コース、加減速の頻度、路面状態などの条件が稼働時間に影響したためと考えられます。


一方で、このテスト結果は、特定の環境と動作条件における検証結果です。すべての現場で同じ稼働時間を保証するものではありません。


YL-180の充電時間は約2時間が目安


YL-180の充電器は、AC100~240Vの商用電源に対応したコネクタ式充電器です。充電電流は10Aです。


バッテリー容量25Ahに対して10Aで充電するため、Cレートは次のようになります。

10A ÷ 25Ah = 0.4C

Cレートとは、バッテリー容量に対する充放電電流の割合です。

25Ahのバッテリーの場合、1Cは25A、0.5Cは12.5A、0.4Cは10Aに相当します。


実際の運用では、バッテリーを完全に使い切る前に充電を開始します。

仮に、充電によって補う電気量を約20Ahとすると、単純計算では次のようになります。

20Ah ÷ 10A = 約2時間


したがって、YL-180の充電時間は約2時間が一つの目安となります。

ただし、実際の充電ではバッテリーを保護するため、充電終盤に電流を抑える制御が入る場合があります。充電開始時の残量、温度、バッテリーの状態などによっても、充電時間は変動します。


AMR本体への直接充電とバッテリー単体の充電に対応


YL-180の充電器には専用コネクタが付いており、AMR本体に直接接続して充電できます。

また、バッテリーとAMR本体もコネクタで接続されています。

そのため、バッテリーをAMR本体から取り外し、充電器を直接接続して、バッテリー単体で充電することも可能です。

運用方法に応じて、次のような使い分けができます。


  • 稼働終了後にAMR本体へ充電器を接続する

  • 休憩時間や段取り替えの時間を利用して継ぎ足し充電する

  • 予備バッテリーと交換し、取り外したバッテリーを別の場所で充電する


充電器・バッテリ・AMRの接続方法
充電器・バッテリ・AMRの接続方法

複数台のAMRを長時間運用する現場では、稼働時間だけでなく、充電場所、充電のタイミング、予備バッテリーの要否まで含めた設計が重要です。



まとめ:AMRの稼働時間は現場の運用条件から考える


YL-180の公称稼働時間は約4~5時間、充電時間は約2時間が目安です。

一方、今回の約200kg積載テストでは、約8時間15分の連続動作を確認しました。


ただし、AMRの稼働時間はバッテリー容量だけでは決まりません。

積載重量、走行速度、加減速、走行距離、待機時間、床面状態などによって、消費電力は変化します。


YOKOIDOでは、お客様の搬送ルートや運用条件を伺い、必要な稼働時間、充電のタイミング、予備バッテリーの構成まで含めて検討します。

AMRの連続稼働や充電方法について不明点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。


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製品・価格・レンタル・見積

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