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広い空間でもSLAMで地図は作れるのか?地図の歪みが発生する理由と、誤差を抑える技術
「地図作成できる空間の広さに限界はありますか?」当社では、多くの企業からこのようなお問い合わせをいただきます。 実際に出展させていただいた展示会場という広い空間で地図を作成したところ、問題なく地図を作ることができました。もちろん、細かく見ると誤差の蓄積による微妙なずれや、累積誤差による地図の歪みは残っています。 しかし、ループ検出によって過去に通った場所との位置関係が補正され、全体としてはかなりきれいな地図になっています。 展示会場のマップ では、なぜこのような広い空間でも地図を作ることができるのでしょうか。今回は、SLAMで誤差が発生する理由と、それをどのような工夫で抑えているのかを一般論として紹介します。 なお、本記事はSLAM技術の一般的な考え方をまとめたものであり、当社AMRへの実装内容とは分けてお読みください。当社のパーティクルフィルタを用いる方式では、Scan Matcherが返したスコアを用いて各パーティクルを評価しています。 地図作成の前提 地図作成とは、LiDARなどで観測したランドマークをセンサー座標系から地図座標系へ変換して


2D LiDAR SLAMの盲点(2)|障害物を補う
なぜ「見えない障害物」が問題になるのか 2D LiDARを用いたSLAMでは、センサーが検出できるのは特定の高さの断面に限られます。 そのため、地図上では問題がないように見えても、実際の現場では接触リスクが残るケースが存在します。特に、上方向に張り出した構造物や、センサー高さから外れた障害物は、検出されないまま運用に入ってしまう可能性があります。 こうした「見えていない障害物」は、運用開始後にトラブルとして顕在化することが少なくありません。 センサーの死角は「上方向」にも存在する 2D LiDARの特性として見落とされがちなのが、上方向の死角です。このような構造物は、センサーの高さによって検出されません。その結果、AMRは「何もない」と判断して進行し、実際には接触してしまうという状況が起こり得ます。 作業台の張り出し部分 コンベアのフレーム 突き出した設備部品 機械の張り出し部が障害物になっている例 検出できないなら「避ける設計」にする このようなケースに対して重要なのは、「検出できるようにする」ことではなく、「そもそも近づかないように設計する」


2D LiDAR SLAMの盲点(1)|障害物が見えない
なぜ「地図づくり」で運用が変わるのか AMRの導入において、初期設定の中でも特に重要なのが「地図作成」です。一見すると単純な工程に見えるこの作業ですが、実際には運用の安定性や使い勝手を大きく左右します。特に2D LiDARを用いたSLAMでは、センサ特性に起因する盲点が存在します。 本稿では、現場で見落とされがちなポイントと、それを踏まえた実践的な地図作成のコツを整理します。 2D LiDAR SLAMの前提:見えているのは「その高さだけ」 2D LiDARを用いたSLAMでは、センサが検出できるのは「LiDARが設置されている高さの断面」に限られます。つまり下記のようなものは地図に反映されません。 上部に張り出した構造物 センサ高さより上にある障害物 逆に、低すぎて検出されない対象 LiDARセンサーが検出できない障害物 この特性を理解していないと、「地図上では問題がないのに、実際には接触リスクがある」といった状況が発生します。 LiDARが障害物を検出せず衝突してしまう 発想の転換:あえて「障害物を置く」という方法 こうした課題に対して、現場


AMRの停止位置はなぜ違う?2D・3D LiDARで見る自己位置精度の仕組み
AMR導入でよく聞く質問:停止位置精度とは AMR導入を検討する際、多くの現場でよく聞くのが、「AMRの停止位置精度はどれくらいか」という質問です。ここでは自己位置精度について、2D LiDARと3D LiDARの比較を通じて分かりやすく紹介します。 2D LiDARの場合:平面上の三角測量 2D LiDARは三角測量で例えられる 自己位置の計算は、「今のLiDARが見ている景色と持っている地図がどれくらい一致しているか」を確率的に計算していると紹介しました。 2D LiDARの場合は、平面上の限られた点(特徴点という)で「三角測量」をしている状態です。特徴点は、走行時の振動やセンサーの精度によって、作った地図にもLiDARで景色にも誤差が含まれます。この誤差が重なると完全に一致する「三角形」が存在しなくなります。従って緩やかに一致しているところを自己位置とする、という閾値の設定が必要になります。これが2D LiDARの場合に自己位置精度が落ちる理由になります。 極端な例として、3点のみで自己位置を計算している下の図のような場合ですと、特徴点とな


ライントレーサー・AGV・LiDARを徹底比較|搬送ロボットの仕組み入門
工場や倉庫で使われる無人搬送車には、AGVやAMRといった種類がありますが、「何が違うの?」と聞かれることも少なくありません。今回は、搬送ロボットの“位置検出方法”に注目し、代表的な3方式、ライントレーサー方式、AGV(磁気誘導)方式、LiDAR方式の違いを分かりやすく解説します。 ① ライントレーサー方式(床の線を追いかける) 最もシンプルなのが、床に貼ったテープや塗装ラインをセンサーで読み取り、その線に沿って走行する方式です。いわば「決められたレールの上を走るガイド走行」にあたります 筆者が以前、小学生・中学生向けのロボットを使ったプログラミングの教室に携わったことがあり、その時の記事をもとに紹介させていただきます。 レールを認識するためのセンサーとして、赤外線センサーを使います。センサーは反射光の強弱を数値で表示できるようになっています。当時は白い紙の上の黒いラインをトレースするという動かし方のため、白い紙と黒い線の反射光の値を測定し、平均値を計算します。この平均値をしきい値として使います。 赤外線センサーの使い方 出展:JAAS協力企画.


オドメトリ精度向上のための現場調整の重要性 記者:越後巧
オドメトリ精度向上のための現場調整の重要性 自律走行の重要な要素として自己位置推定があります。LiDARから得た情報を元に自己位置を推定するのですが、カーナビと同じように他のセンサー情報を使って自己位置の補正を行います。今回はオドメトリという車輪やステアリングの回転角度からの累積計算からロボットの位置を推定する手法を紹介します。 ROSのパッケージ上にはオドメトリ計算用の各種パラメータ設定項目があります。代表的なもので、駆動輪の直径、左右のタイヤの中心間距離であるトレッド幅があります。 自律走行をさせるロボットのカタログ値を登録するのですが、タイヤに関して言えば、導入環境次第でカタログ値を使ってもうまくいかない場合があります。またロボットには機械誤差があり、こちらも考慮する必要があります。 今回はLiDARでの補正を使わず、オドメトリ計算だけでナビゲーションにどのような差がでるのか見てみました。 ケース1:仕様書通りのタイヤ径・トレッド幅を使った走行・LiDAR補正なし ケース2:パラメータ調整後の走行・LiDAR補正なし このように、カタログ値


ナビゲーションにおける自己位置推定 from エンジニア・メモ 記者:早川喜太
ナビゲーションにおける自己位置推定 動作環境 項目 内容 OS Ubuntu20.04 ROS 2 Distro Foxy Fitzroy はじめに ROS2では 目的地を設定したら経路を計算して実際にロボットを目的地まで移動させることができるNavigation2の開発が進められている。 github: https://github.com/ros-planning/navigation2 ドキュメント: https://navigation.ros.org/index.html また、ROS 2ではないが産業技術総合研究所ロボットイノベーション研究センターによるNavigationスタックの設計仕様をまとめたドキュメントも理解の助けになる。 https://robo-marc.github.io/navigation_documents/introduction.html Navigation2は複数のパッケージで構成されており、それぞれのパッケージごとに設定すべきパラメータが存在する。その結果、パラメータの数が多くなっており、自作のロボット


SLAM走行のデモの様子
デプトシー株式会社が取り扱うAgileX Robotics社のモバイルロボット開発用プラットフォーム「LIMO」の撮影会が行われました。当社にてLIMOを使用したSLAM走行のテスト開発を行っており、その様子を見学に来て頂きました。 SLAMは「Simultaneous Localization and Mapping」の略称で、地図作成と自己位置推定を同時に行う技術です。自律走行と言われています。 「LIMO」は小型の機体に4つのステアリングモード(4輪差動式、クローラー式、メカナムホイール、アッカーマン)を搭載し、LiDARとステレオカメラを装備しています。 車体の制御は、車体に組み込まれた制御用ボードにて行います。ソフトウェアはLinuxディストリビューションの1つであるUbuntuをOSとし、ロボット用のソフトウェアプラットフォームであるROS/ROS 2上でSLAM等の自律走行用のアプリケーションを動作させます。 一般に、シャーシと運行管理をつかさどるミドルウェアの連携は専門知識が必要となり、導入の課題になっています。SLAMは研究
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