カゴ台車搬送AMRの停止位置精度を向上させるには?現場で生まれた位置決めジグをご紹介
- YOKOIDO編集部

- 13 分前
- 読了時間: 4分
導入
カゴ台車の自動搬送では、「目的地まで運ぶこと」よりも、「毎回同じ位置に止まること」が難しいケースがあります。
一方で、ラックや専用パレットの搬送では、停止位置を比較的高い精度で再現できます。ラックは形状が一定で位置決めしやすく、AMRとの相性が良いためです。
まずは、ラック搬送の様子をご覧ください。
このように、ラック搬送では繰り返し同じ位置へ停止させることが比較的容易です。
しかし、カゴ台車では事情が異なります。カゴ台車は自在輪を備えているため、走行中に車輪の向きやタイヤへ応力が蓄積され、停止後にわずかに姿勢や位置が変化することがあります。また、ラックのように位置決めの基準となる形状を作りにくいことも、停止位置精度を難しくする要因の一つです。
今回は、こうした課題に対してお客様現場で実際に採用した位置決め方法と、その効果をご紹介します。
なぜカゴ台車は停止位置精度を出しにくいのか
カゴ台車は、搬送時に自在輪へ応力が蓄積されます。
その状態でAMRが停止しリフトを下降させると、
タイヤの反力
自在輪の向き
積載物の慣性
などの影響により、わずかに揺れたり位置が変化する場合があります。
また、ラックのように決まった位置へ差し込む構造ではないため、リフトアップ時・リフトダウン時ともに位置決めが難しくなります。
過去に試した位置決め方法
これまでにも、
ゴム製の防舷材による当て止め
輪留めによる位置決め
などを試してきました。
しかし、カゴ台車の自在輪は旋回中心が車輪の接地点からオフセットしているため、狙った位置に輪留めへ乗らず、期待した精度が得られませんでした。

現場で試行錯誤を重ねる中で、「ラックのような位置決め」と「カゴ台車の特性」は必ずしも相性が良くないことが分かりました。
現場で生まれたシンプルな改善方法
今回採用したのは、停止位置直前に専用ジグを設置する方法です。
AMRが停止する直前でカゴ台車の車輪をわずかに持ち上げる高さのジグを配置し、自在輪の向きを一定方向へ揃えます。
その状態でゴム製の当て止めへ軽く接触させることで、
自在輪の向きを揃える
カゴ台車の姿勢を安定させる
停止位置のばらつきを抑える
という効果が得られました。

特別な機構を追加するのではなく、現場で製作できるシンプルな治具によって改善できた点も特徴です。
実際の繰り返し精度
本動画では、同じ搬送ルートを5回繰り返し走行した様子をご紹介しています。停止位置やカゴ台車の姿勢がどのように再現されているかをご確認いただけます。
特に5回目の走行では、AMRとカゴ台車の位置関係にズレが発生しています。しかし、停止位置直前に設置したジグによって自在輪の向きを整え、ゴム製の当て止めへ誘導することで、カゴ台車の位置が補正されている様子をご覧いただけます。
このように、AMR単体の停止精度だけに頼るのではなく、現場の治具や運用方法を組み合わせることで、カゴ台車搬送に必要な繰り返し停止位置精度を確保できるケースがあります。
停止位置精度はAMRだけでは決まらない
今回の検証では、回転を多く含む比較的難易度の高い条件で評価を行いました。
停止位置には、
天板と搬送物の滑り
積載重量
重心位置
回転速度
床面状況
カゴ台車自体の個体差
など、多くの外部要因が影響します。
そのため、実際の導入では現場に合わせた調整や評価が重要になります。
シンプルな搬送なら十分自動化できる可能性も
今回ご紹介した方法は、すべての搬送現場に適用できるものではありません。
しかし、
「A地点からB地点へ搬送する」
といった比較的シンプルな搬送工程であれば、このような現場の工夫によって十分な停止位置精度を確保できるケースもあります。
YOKOIDOでは、高価な専用設備を追加するだけではなく、現場で実現しやすい改善方法も含めて、お客様と一緒に最適な搬送方法を検討しています。
まとめ
カゴ台車搬送は、ラック搬送とは異なる難しさがあります。
しかし、AMRだけに頼るのではなく、現場の治具や運用を組み合わせることで、自動化の可能性は大きく広がります。
今回ご紹介したような工夫も含め、YOKOIDOでは実際の現場で検証を重ねながら、導入しやすいAMRの実現を目指しています。
