RFA規格とは?エレベーター連携を標準化するロボットフレンドリー施設の考え方と、YOKOIDOのLCI認定取得
- YOKOIDO編集部

- 11 分前
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エレベーターを利用して複数フロアを自律移動するロボットは、ホテルや病院、オフィスだけでなく、工場や物流施設でも活用が広がっています。
しかし従来は、ロボットとエレベーターを連携させるためには、メーカーごとに異なる仕様への対応やPLC配線、現地での細かなすり合わせが必要であり、自動化導入の大きな障壁となっていました。
この課題を解決するために策定されたのが、RFA(ロボットフレンドリー施設推進機構)のエレベーター連携規格です。
今回は、このRFA規格の考え方と、YOKOIDOが取得したOcta Robotics「LCI認定」についてご紹介します。
RFA規格とは ― ロボットと建物設備をつなぐ共通ルール
ロボット・エレベーター連携インターフェースは、経済産業省が推進する「ロボットフレンドリー(ロボフレ)」の取り組みから生まれた規格です。
ロボフレでは、食品分野や施設管理分野など、ロボットを導入しやすい社会インフラを整備するために複数のテクニカルコミッティ(TC)が設置されました。その中で施設管理TCは、ロボットとエレベーター、自動ドアやセキュリティ設備などの連携方法を標準化する活動を進め、その成果を引き継ぐ形で、現在は一般社団法人RFA(ロボットフレンドリー施設推進機構)が規格の維持・発展を担っています。
RFA規格の本質は「通信」ではなく「設計思想」
通信状態をSAFE・WAIT・FAILで整理する
RFA規格の本質は、ロボットとエレベーターの通信を単に接続することではなく、通信状態を SAFE・WAIT・FAIL に分類し、異常時の責任分界と運用ルールを事前に決められるようにした点、つまりRFAの価値は、通信仕様を決めたことではなく、設備連携を「状態遷移」で設計できるようにしたことにあります。
「正常時にエレベーターを呼べる仕様」ではなく、通信が切れた時にどう止まり、誰が判断し、どう復旧するかまでを事前に合意するための設計フレームです。
これにより、ロボット会社、エレベーターメーカー、施設管理者が、都度すり合わせで対応するのではなく、異常系まで含めた網羅的な設備連携設計を行いやすくなります。ここが、従来のPLC配線や個別仕様による連携との大きな違いです。
エレベーター利用を6つのフェーズに分割
RFA規格では、ロボットがエレベーターを利用する一連の流れを、「待機位置への移動」「呼出し」「乗車」「移動」「降車」「目的地への移動」の6つのフェーズに分割し、それぞれでロボットとエレベーターが何を行うかをフローチャートとして定義しています。
重要なのは、ロボットがエレベーターを直接制御するのではなく、「要求」と「応答」の役割を明確に分離していることです。双方が独立して動作しながらも、共通の手順で連携できる仕組みとなっています。
PLCのインターロックをコマンドシーケンスとして標準化
考え方としては、PLCでビット信号を使ってインターロックを組むのと非常によく似ています。従来は、「ドアが開いた」「ロボットが停止した」「乗車完了した」といった状態を設備ごとのI/O信号で表現し、メーカーごとに個別設計していました。
RFA規格ではこれを、「エレベーター利用登録」「呼出し」「到着通知」「ドア開継続要求」「乗車完了」「降車完了」「利用解除」といった意味を持つコマンドの授受として標準化しています。これにより、メーカーごとに異なるPLCインターロックを設計する代わりに、共通のコマンドシーケンスで設備連携を実現できるようになりました。
異常時は「止め方」ではなく「役割」を決める
RFA規格では、災害時やシステム異常時の制御シーケンス自体は標準化していません。地震や火災などの災害時には、エレベーターは人命を最優先とする管制運転へ移行し、通常のロボット連携は停止します。一方、ロボットも安全に停止し、管理者への通知など、あらかじめ定められた異常時運用に従います。
つまりRFA規格が求めているのは、異常時の動きを全国一律に規格化することではなく、ロボット側・エレベーター側・施設管理者が、それぞれの役割と復旧手順を事前に合意しておくことです。これにより、異常発生時にも責任分界が明確になり、安全性を確保した設備運用が可能になります。
運用条件まで設計対象にしたことが最大の特徴
RFA規格では、通信状態・連携手順・インターフェースを標準化していますが、実際の施設運用は建物の用途や管理方針によって異なるため、運用方法までは規格化していません。
そこで附属書では、「待機位置の決め方」「呼出し時の待機方法」「乗車時の人との共存」「移動中の扱い」「降車時の運用」「目的地到着後の扱い」といった、連携フェーズごとに、施設管理者・ロボットベンダー・エレベーターメーカーが事前に決めておくべき代表的な運用条件を参考例として整理しています。
重要なのは、これらは「守らなければならない規格」ではなく、「最低限ここは関係者で合意してください」というチェックリストであることです。
つまりRFA規格は、「APIを合わせれば終わり」ではなく、設備連携プロジェクトで発生する実運用上の課題を洗い出し、施設ごとの違いを認めたうえで、事前に運用ルールを決めることでトラブルを防ぐという考え方を採っています。
RFA規格を社会実装するOcta Robotics
Octa Roboticsは、「ロボットをあたりまえのインフラに」を掲げ、ロボットとエレベーター、自動ドア、セキュリティ設備などの建物設備を連携するための共通インフラ「LCI」を提供している企業です。
LCIは、RFA(ロボットフレンドリー施設推進機構)が策定する建物設備連携規格に準拠したマルチベンダー型のインターフェースサービスとして、多くのロボットメーカーや建物設備メーカーで採用されています。
RFA規格の策定にも参画
Octa Roboticsは単にRFA規格を利用する立場ではなく、RFA規格の策定にも初期段階から深く参画しています。
例えば、RFA B 0004「ロボット群管理インタフェイス定義」では、ロボット群管理TCの発足当初から議論に参加し、自社特許が標準必須特許(SEP)として採用されるなど、規格策定そのものにも貢献しています。
LCIという実装基盤を提供
さらに2024年度には、「RFA規格に基づくロボット・建物設備連携と標準化の推進」が経済産業省のロボットフレンドリーな環境構築支援事業に採択され、RFA規格の社会実装や適合性評価、さらなる標準化活動を主導しています。
ISO/TC299 WG15座長
近年では、その活動は国内規格に留まらず国際標準化へと発展しています。
2026年にはISO/TC 299(ロボティクス)の新設ワーキンググループ WG15「Infrastructure for Robot Applications(ロボットアプリケーションのためのインフラ)」 が設立され、Octa Robotics代表がコンビーナ(座長)に就任しました。
このWGでは、日本のRFAで培われた考え方をベースに、ロボットインフラのフレームワーク(ISO 26159-1)や、エレベーター・自動ドアとのインターフェース(ISO 26159-2)の国際標準化が進められています。
YOKOIDO、LCI認定を取得
今回YOKOIDOでは、Octa Roboticsが提供する「エレベータ」と「自動ドア」のLCI認定を取得しました。

これは、YOKOIDOのAMRがRFA規格に基づく標準的な建物設備連携インターフェースを実装し、LCIとの接続性・互換性が確認されたことを示すものです。
また、LCI認定を取得したロボットは、Octa Roboticsが公開する「LCI認定取得済みロボット一覧」にも掲載されます。これにより、ユーザーやシステムインテグレーター、建物設備メーカーは、LCIとの接続性が確認されたロボットを第三者の公開情報として確認できるようになります。
認定済みロボット一覧はこちらからご覧いただけます。
このあとご覧いただく動画では、YOKOIDOのAMRがLCIを介して、エレベーター、セキュリティドア、後付け電動ドアクローザーと連携しながら建物内を自律搬送する様子をご紹介します。
エレベーターだけでなく、複数の建物設備と標準化されたインターフェースで連携することで、ロボットがフロアや区画をまたいで移動できる様子をご覧いただけます。
まとめ
RFA規格は、単なる通信規格ではありません。
設備連携を、
状態(SAFE・WAIT・FAIL)
連携フロー(6フェーズ)
インターフェース(コマンドシーケンス)
運用条件(事前合意事項)
という4つの視点で整理し、異なるメーカー同士でも同じ考え方で設備連携を設計できるようにした、日本発の社会インフラ規格です。
YOKOIDOは今回、LCI認定を取得したことで、この標準化された建物設備連携基盤に対応しました。
今後も標準規格を積極的に活用し、お客様がより導入しやすいAMRソリューションを提供してまいります。
